生き生き健康 No.42 脚の血行を良くしましょう

生き生き健康


脚の血行を良くしましょう

 北原 道宏
 財団法人体力つくり指導協会 主任研究員
 
 脚の慢性的な冷え症やむくみなどで困っている方はいませんか。冷えやむくみは食生活や運動不足等が原因といわれています。例えば、長時間イスに座っていると股関節から下の血液循環が悪くなり冷えやむくみ、またはしびれなどに繋がることがあります。もしこうした状態が長期間続けば症状も慢性化してしまうかもしれません。日ごろから脚の運動を行うとともに食生活を見直し健康維持に役立てましょう。
1.エコノミークラス症候群
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 長時間脚を動かさずに座っていることで起こる問題にエコノミー症候群があります。これは、当初航空機内のエコノミークラスの旅客の症状として報告されたため、エコノミークラス症候群と呼ばれていますが、航空機以外にも自動車や劇場などでも起こることがあります。
この症状は、長時間動かないことと水分摂取不足が元で太腿の奥の静脈に血のかたまり(深部静脈血栓)ができ、次に歩き出したときにその血栓の一部が血流に乗って肺にとび、肺の血管を塞いでしまうことで起こります。また、脳や心臓に移動すると、脳卒中や心臓発作に繋がることもあります。運動量の落ちる冬場はじっとしている時間が長くなりがちなので要注意です。冬場などの寒い時期は特に運動を行うように心がけ、水分摂取も忘れずに行いましょう。
2.下肢静脈瘤
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 ひざから下の皮膚の表面に血管がグニャグニャと浮き上がっていることがまれにあります。これは血液の流れが悪くなり、血液が貯まって、静脈の壁を押し広げている状態といえます。このような状態で血液が逆流して貯まる症状を下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)といいます。下肢静脈瘤はエコノミークラス症候群の元凶となる深部静脈血栓症を起こしやすいとされています。しかし、軽度の場合は定期的な運動習慣を持つことで改善することもあるようです。静脈瘤があったとしても、血栓を作らないための下半身の運動を心がけましょう
3.ウォーキングで長生きをめざす!
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 日本人は心臓や血管に関係する循環器系の死亡率が高いことが知られています。死亡率は歩き方や運動の有無と関係しているといわれており、特に歩くのが上手な人は長生きでき、歩き方が下手な人は早死にすると考えられるそうです。
ウォーキングは下半身の毛細血管の血行を確実に促進し、血栓の予防に効果を発揮します。血液循環が悪い、心臓の負担が高い、血圧が高い、などの場合は、足の使い方が少ないのではと考え積極的に歩くようにしましょう。
4.O脚を予防する簡単な自己調整運動
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 仕事の合間、電車に乗っているときなでもかんたんに行える、「かかと上げ」、「つま先上げ」の動作は、脚の血行不良を改善させる調整運動となります。4秒ほど時間をかけながらゆっくり上げて、一気にストンと脱力する動作を繰り返してください。

 [動作解説]
①初期姿勢 :いすに座り、両手を腿に置き、姿勢を正します。
②動作1  :かかとを4秒程度かけながらジワジワと上げたあと、一気にストンと脱力して落 とし、4秒程度リラックスした状態を保ちます。
③動作2  :つま先を4秒程度かけながらジワジワと上げたあと、一気にストンと脱力して落 とし、4秒程度リラックスした状態を保ちます。
④頻度   :②と③の動作で1回とし、5回から10回行います。

 *脚の筋肉が緩み、血液循環賀が良くなって、足裏がぽかぽかと暖かくなれば運動がうまくできたといえます。

 ②動作1:かかと上げ      ③動作2:つま先上げ


 (ワンポイントアドバイス)
*ゆっくりと上げると、ゆっくり効果を高めることができます。
*脱力して足裏をストンと落とすときに同時に軽く「ハーッ」と息を吐くと筋肉が効率よくゆるみます。
*1回ずつ足が温かくなるのを感じながら次の動作に移りましょう。
*かかとを上げるときは、つま先で軽く床を押すようにすると、より効果が望めます。
*つま先を上げるときは、つま先を軽く上向きに反らせ気味にすると、より効果が望めます。