生き生き健康 No.43 骨と骨の間をゆるめて身体を整える

生き生き健康


骨と骨の間をゆるめて身体を整える

 北原 道宏
 財団法人体力つくり指導協会 主任研究員
「年とともに身長が低くなってしまった」という年配の方々の声をよく聞きます。また、「身体が硬くなってしまった」という声も珍しくありません。身体が硬くなったのは柔軟性の低下が第一の原因ですが、それだけではなく関節部分の軟骨が少なくなったために可動域が低下する、また骨格のゆがみや骨粗しょう症などのために骨と骨の間隔が狭くなることも原因のひとつとして考えられます。日ごろから骨格をゆるめる全身運動を行うことをお勧めします。
1.骨はクサリのようにつながっている
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人間の骨は、かかと、すね、膝、大腿骨、骨盤、背骨、首の骨、頭蓋骨などその数は200個を超えます。それぞれの骨は巧みに組み合わされ、互いに連携しています。そのため、どこか一部分にゆがみなどの異常が現れるとその影響が他の部分に連動するように伝わっていきます。
この場合の異常とは、スポーツなどの使いすぎによる障害と運動不足から来るゆがみ、そして骨粗しょう症など骨の病気によるものなどがあります。日常の運動習慣化により、運動不足によるゆがみの予防や改善の効果につながります。
2.身体は弱い箇所をかばいあう
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 身体は、どこか一部分に不良箇所が出来るとその箇所をかばうように働きます。例えば足首を捻挫した場合、足首をかばって歩こうとします。この場合、膝や腰が足首の正常な動作の代わりの運動をした(代償運動)ことになります。膝や腰は足首の痛みのために余分な動作を強いられ、結果として腰痛や膝痛を起こすことになります。
このように、身体は弱い箇所をかばうことで出来るだけ正常な状態を保とうとします。これがゆがみの原因です。代償運動はさまざまな形で現れます。肩こりが膝痛に連動したり、胸骨に出たひずみが腰痛に至ったりすることもあります。外反母趾や歯並びの悪さが影響することも多々あります。意外なことですがストレスが腰痛の原因であることも近年注目されてきました。趣味を持つこともひとつの予防法になるかもしれません。
はっきりとした原因がわからないまま痛みが長引く場合は、全く別の部分が影響しているかもしれません、こうしたときこそ軽い運動で体調の管理をしてみるのもひとつの工夫かもしれません。
3.かかと伸ばし運動で身体調整
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 この運動は、床に仰向けで行うものです。起床時や就寝前に寝床でかんたんに行えるものです。そのほか腰や肩などに違和感を覚えたときに行います。うまく効果を引き出すコツは、力を込めずにゆっくりと動作させ、その時に感じる身体の変化を探し出すことです。痛みや堅さ、動きづらさがその変化です。変化が感じられない場合は、他の部分にも意識を向けてみましょう。かかとを押し出すだけの動作が首や背中、あるいは足首など思わぬところにサインを発します。
動作は、痛みなどの違和感がない方を選択して実施します。くれぐれも力まないで、ゆっくりと行ってください。
 [動作解説]
①初期姿勢 :仰向けに寝て、両手脚を伸ばしてリラックスします。

②動作1 :「選択動作」
つま先を上に向け、かかとをゆっくり押し出し、適当なところで4秒程度静止させてから一気にストンと脱力し、しばらくリラックスした状態を保ちます。
この動作を左右で行い、違和感の有無を確認してください。

③動作2  :「調整運動」
動作1と同じ運動を選択された側だけ優先的に3回繰り返します。急いで行わないで、一回ずつリラックスを確認しながらすすめましょう。
④動作3 :「確認動作」
動作2の後、最初にやりづらさを感じた側で同じ運動を1回行います。このとき、最初に感じた違和感の減少具合を確認してください。僅かでも変化があれば身体調整が進んだことになります。左右の差が出来るだけ小さくなるまで3セット程度繰り返すのも良いでしょう。
(ワンポイントアドバイス)
*ふくらはぎがマットから離れないようにかかとを押し出します。
*最後まで伸ばし切らずに、途中、気持ちよく伸びた位置でジッとかかと伸ばしを維持しましょう。
*脱力して足裏をストンと落とすときに同時に軽く「ハーッ」と息を吐くと筋肉が効率よく脱力します。