生き生き健康 No.45 いつまでもおいしく食べる(高齢者の食べる能力)

生き生き健康


いつまでもおいしく食べる(高齢者の食べる能力)

 竹島佳代
 (財)体力つくり指導協会 管理栄養士
●はじめに
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   こんにちは。
今回から12回にわたり、連載を担当させていただきます、竹島佳代と申します。管理栄養士として、「食」を楽しむことから健康づくり支援を考えていきたいと思っております。
さて、みなさんはどのように「食」を楽しんでいるでしょうか?好きな食べ物、おいしい料理を食べるということはなによりの楽しみですよね。そしてさらに、食材の効能、栄養の知識、また地域や季節の食文化について知るということも、ひとつの楽しみにつながってくると思います。そうした、「食」のさまざまな楽しみ方を、みなさんに提供できるようにしてまいります。いっしょに、いくつになっても「食」を楽しんでいけるようにしましょう!
●何でもおいしく食べるために
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 先日放送していたテレビ番組で、動物の噛む力ランキングという企画をしていました。ある動物学者が実際に測定出来たデータのみによるものですが、ライオンで313kg、噛む力が強いといわれているワニガメは455kg、さらにその上をいくのがナイルワニで、なんと2268kgもあるそうです。わたしたちヒトはというと約60kgだそうなので、その差はとても大きいものであることが分かります。噛む力の年齢による変化はその番組内では言われていませんでしたが、高齢になってきたときほどよく噛んで、噛む力を維持していきたいものですね。しっかり噛めて、飲みこめるということが、食事をおいしく食べられることにもつながってきます。

さて、よく噛むことには噛む力を維持する以外にもからだに良い効果があるのでご紹介しましょう。

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 ① 食べ物の消化・吸収をたすける。
食べ物と唾液がよく混ざることで唾液に含まれる消化酵素アミラーゼによって消化が促進され、胃腸での吸収をたすけます。高齢になると消化器官の動きが弱まるため、消化器官への負担を減らすことが出来ます。
② むし歯・歯周病を予防する 。
唾液に含まれる免疫物質が菌を減少させるため、むし歯や歯周病の予防につながります。
③ 脳を刺激し、活性化する。
噛むことにより頭の骨や筋肉が動き、血液の循環が良くなることで脳神経が刺激され、脳の動きが活発になります。
④ ストレス解消と肥満防止
噛むことで緊張をほぐし、ストレスの解消にもなります。また食事に時間をかけることで満腹感が得られ、食べすぎを防止する効果があります。
●噛みごたえアップの方法
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 このようによく噛むことには様々な効果がありますが、よく噛むために特別な食材を用意する必要はありません。すこし大きめに切る、柔らかく煮過ぎないなど、調理法でも噛みごたえをアップすることが出来ます。挙げるとするならば、豆、青菜類はもちろん、繊維質の多い根菜類やきのこ、海藻なども積極的にとりましょう。
噛みごたえのあるものを、時間をかけてよく噛んで食べることを実践しましょう。好き嫌いなく、バランスよく食べることも忘れずに。自分の健康、自分の歯は自分で守るように心がけましょう!
●からだを動かすことも大切
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また、からだを動かすことも大切です。適度な運動のあとの食事は一層おいしいと感じることでしょう。運動によって食欲が増進し、低下しがちな消化器官の動きも活発になります。運動の習慣を身につけ、おいしくご飯が食べられる状態を維持していきましょう。