生き生き健康 No.47 塩分の取りすぎ注意

生き生き健康


塩分の取りすぎ注意

 竹島佳代
 (財)体力つくり指導協会 管理栄養士
 ヒトがおいしいと感じるものは、つきつめていくと塩と脂肪なんだそうです。ヒトの遠い祖先にあたる生物は海で発生し、塩分の排泄機構が発達していたのですが、進化して海から陸に上がると、今度は塩分を取り込み、それを維持することが必要になりました。そのため、体にある塩分センサーが塩分をおいしいと思わせ、積極的に摂取するようになったと言われています。
塩分は生きていくうえで必要不可欠なものですが、とりすぎると生活習慣病を引き起こしたり、体にたくさんの害をおよぼします。体に対する「適量」を知り、食材そのもののおいしさを引き出していくような食べ方が出来るようにしていきましょう。      
●体に必要な塩分量
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 塩、と言っていますが、体が必要としているのはそのうちのナトリウムというミネラルです。ナトリウムは成人の体内に約100g含まれており、カリウムとともに水分バランスや浸透圧を維持しています。また、筋肉の収縮にも関与しています。
ナトリウムの推定平均必要量は食塩にすると1.5g程度で、通常の食事をしていれば不足することはまずありません。けれども、多量の発汗や激しい下痢の場合には欠乏し、疲労感、血液の濃縮、食欲不振を起こす可能性がありますので注意が必要です。ただ、日本人の食生活で気をつけたいのは摂取不足よりもむしろ摂りすぎる方で、過剰摂取や高塩分食品の摂取による高血圧やがんなどの生活習慣病が問題となっています。目標量である男性9.0g未満、女性7.5g未満に対して平均食塩摂取量(平成19年国民栄養調査)は男性で12.0g、女性で10.3gですので、普段の食事から食塩摂取を減らす工夫をしてみましょう。      
●塩分が多い食品
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 食塩摂取量のうち約50%が調味料からの摂取で、その中でもしょうゆ、味噌、塩での摂取が多かったとされています。
調味料以外で食塩が多く含まれているものに、ハム、ウインナー、練り製品、即席めんなどの加工食品や野菜の漬け物などがあります。また外食やテイクアウト食では保存などの関係から一般的に塩分が多いので、それらに偏りすぎないようにしましょう。特にご飯全体に味がついている「どんぶり」や「すし」は塩分が多いので注意が必要です。
●塩分を控える工夫
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・レモン、酢などの酸味や、カレー粉、わさび、からし、生姜、ゴマなどを使うと、少ない塩分でもおいしく食べることができます。
・汁物にも食塩は多く含まれるので、具だくさんのみそ汁にしたり、ラーメンやうどんなどを食べるときは、汁を半分残すようにしましょう。
・しょうゆ、ソースを使うときは、なるべく料理にかけるのではなく小皿にとってつけて食べるようにしましょう。
・カリウムにはナトリウムを排泄する働きがあるので、食事の時にはカリウムを豊富に含む新鮮な野菜や果物を一緒にとるとよいでしょう。
たとえ体に良いとされているものだとしても、とりすぎは禁物です。料理をおいしくする調味料ですが、今日はいつもより調味料を少なめにして、素材そのものの味を楽しんでみてはいかがでしょうか。