生き生き健康 No.48 食べることから健康をつくる

生き生き健康


食べることから健康をつくる

 小山和作
 日本赤十字熊本県健康管理センター名誉所長
  年を重ねるごとに、ますます華やいでいくイメージを「華齢」と表現されることがあります。そんなイメージを体現できるように年をとっていけたらいいですね。そのためにまず気にかけていただきたいのが、毎日の食事だと考えます。一日三食、ほぼ欠かさず口にするものですから、その積み重ねは良くも悪くもいずれ大きな影響を及ぼすでしょう。今回はそんな食のあり方、考え方をご提案します。
●医食同源
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  「医食同源(いしょくどうげん)」、という言葉を聞いたことがあるでしょうか?医食同源とは、医も食も源は同じだから、日頃からバランスのとれたおいしい食事をとることで病気を予防し、治療しようという考え方のことを言います。中国や、沖縄における伝統的な食の考え方は、この医食同源の考え方に通じているものとされています。そう言われると、その地方に長寿が多いのもうなずけますね。
●沖縄・中国の食の考え方
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 沖縄のお年寄り達は、身内の子どもや孫に久しぶりに会うと、挨拶代わりに「ちゃんとご飯たべてる?」と聞くそうです。ご飯をちゃんと食べて、健康に気をつけているかという意味です。元気に毎日を過ごすためには、まずは毎日のご飯が大切だという考えが染みついているのですね。食材に偏りなく、たくさんの種類をしっかり食べることから、医食同源を始めてみましょう。
●偏りない食事のヒント。旬の食材を食べましょう!
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 今ではハウス栽培など農業の発展により、一年中手にとることのできる食材がたくさんあります。けれど、その中でも旬のものにはその時期に必要な栄養がたくさん含まれています。
たとえば、春が旬の食べ物には、山菜などのようにアクが強く、苦いものが多いです。苦みの成分に冬の間に蓄積した老廃物を排出する働きがあるのです。夏には水分の多い野菜・果物が多く出回ります。これらの夏野菜には体の水分を補いながら、体内の不要な水分も排出してむくみをとり、体を内側から冷やしてくれる働きがあります。秋には、冬の寒さにそなえて脂肪の多い落花生・栗等の木の実や魚が旬となります。冬は、カラダをあたためる根野菜が多くなります。また、小松菜やほうれん草などの緑黄色野菜に多く含まれるカロテンは、のどや鼻の粘膜を強くし、風邪菌などから体を守る働きがあります。
このように、旬の食べ物を積極的にとることは、栄養の面から見てもとても理にかなっていることなのです。
「食」とは、文字の通り「人が良くなること」と言えます。口から入るものは、すべてが体にとって意味のあるものなのです。まずはご飯をちゃんと食べることが大切です。そして、旬のものを積極的に取り入れ、彩りを加えて、食事を楽しんでいきましょう。楽しい食事が、健康を維持する上で何よりの薬になることでしょう。