生き生き健康 No.30 ふとんを持ち上げる上腕二頭筋


生き生き健康


ふとんを持ち上げる上腕二頭筋 

 北原 道宏
 財団法人体力つくり指導協会 主任研究員
 1.肘を曲げて物を持ち上げるときに使う上腕二頭筋
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  腕の前面の力こぶ部分の筋肉(上腕二頭筋)は、肘を曲げるときに使う筋肉です。重い荷物を持つ機会はだんだん少なくなっていることでしょうが、ふとんを押入れに出し入れすることなどは日常生活の中で多くの方が行っていると思います。その他、赤ん坊を抱っこしたり、植木鉢を移動したり、ダンボール箱の荷物を抱えて運んだりするときなどに使われる、実用性の高い筋肉です。            
 2.力こぶをつくる
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 多くの人が肘を曲げて腕の力こぶを作ってみせるということをした経験があると思います。力こぶが大きく硬く膨らんでいて「すごい力の持ち主だ。かっこいい!」とあこがれの対象になった人もいると思います。
以前は物を持ち上げるという力仕事が多くあったため、腕力がある人は特に周囲の人から頼りがいのある人と思われたことでしょう。足腰ももちろんしっかりしていなければ物を持ち上げることができませんが、肘を曲げて物を持ち上げる能力は生活力や健康度の象徴になります。      
 3.上腕二頭筋の話
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上腕二頭筋は上腕の前面にあり、上部で長頭と短頭の二つの頭に別れている筋肉なので二頭筋という呼び名がついています。
また、肘と肩の二つの関節にまたがってつながっているので二関節筋と呼ばれます。
長頭は上部で肩甲骨の関節の上部端の部分につき、短頭は肩甲骨上部端の前の烏口突起という出っ張りの部分についています。
上腕二頭筋の下部は前腕のとう骨(前腕の2本の骨のうち親指側の骨)の端内側部に付着するものと上腕二頭筋腱膜とに分かれます。
上腕二頭筋の主な役割は肘関節を曲げることです。また、肘関節を曲げた状態で前腕を回外させる(外側に回す)とより強い力を出すことができます。
上腕二頭筋はダンベルやペットボトルなどを持ち、肘を支点にして上下運動させると鍛えられます。懸垂やロック・クライミングなどでもこの筋肉は発達します。
家事全般など女性も男性に劣らず腕の筋力を使う機会が多くありますので、男女関係なくある程度の筋力は維持したいものです。
4.家庭でできる簡単な「上腕二頭筋の運動」
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 [実技方法]:ペットボトル(またはダンベル)を持ち、ひじの曲げ伸ばしを行う

① 腰幅で立ち、両手にペットボトルを握り、両腕を下に伸ばして手の平の側を前に向けます。
② 「イチ」で息を吐きながらひじを曲げ、両手を上腕の前面に近づけます。
③ 「ニ」でひじを曲げた状態に保ちます。
④ 「サン」「シ」で息を吸いながら、腕をゆっくり元の位置に戻します。
⑤ 「イチ」「ニ」「サン」「シ」を1回として、繰り返し10回行います。
⑥ 10回をセットにして、1セットから3セット行ってみましょう。

(ワンポイントアドバイス)
*ゆっくり上げ下ろしをすると効果が高まります。
*「イチからシまで」終えた後、大きめの呼吸を1~2呼吸入れてから(身体をリラックスさせて)次の動作を行うと筋肉の疲労が出にくく、運動の持続性が高まります。
*脚に痛みがある場合はイスに座って行いましょう。
*肘曲げ動作の最後に両手の握りを少し外に回旋させると、より効果の高い運動になります。
*回数はあくまでも目安であり、無理せずに自分のペースで行いましょう。