生き生き健康 No.29 投げるとき押すときに大胸筋

生き生き健康


投げるとき押すときに大胸筋

 北原 道宏
 財団法人体力つくり指導協会 主任研究員
 1. 物を投げるときに使う大胸筋
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 胸の筋肉(大胸筋)は、物を投げるときに使われます。社会人ともなると、物を投げるという機会はだんだん少なくなっていきますが、釣り竿を振ったりテニスのサーブをしたりなどにも大胸筋が関係しているなど、胸の筋肉は上半身の動作にともなうとても実用性の高い筋肉です。
 2. 押し出しつっぱりに大胸筋
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 大相撲でいう「押し出し」や「つっぱり」は両手を使って相手を前に押す形をとりますが、その押すときに使う主な筋肉も大胸筋です。壊れた車を人力で押すことなどそうそうないと思いますが、こうした物を押す力は体力のバロメーターにもなります。
厚い胸板の男性は頼もしく、体力があるように見えるのは、大胸筋の筋量が押す力と大きく関係していることを直感的に感じているのかもしれません。決して筋肉ムキムキマンになる必要はありませんが、筋肉の用途を知って日常生活に困らない程度の筋肉を維持することは男性、女性に限らず重要なことです。
3.筋肉が増えると身体が太りにくくなる
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 一般的に筋肉量を増加させるとエネルギーの基礎代謝量が高くなるため、カロリーの消費が増え、身体は太りにくくなるといわれます。反対に筋肉が衰えると身体は太りやすくなります。
筋肉は使わないと減るという性質があるので、運動不足が続くと年齢に関係なく筋肉は衰えるので、適度な筋力運動を行うことが望まれます。 。
4. 大胸筋の話
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 大胸筋は、上部が鎖骨の前方内側に、胸の前で胸骨・肋骨の内側に、そして上腕骨の上部に付着している筋肉です。大胸筋は身体の表にある筋肉(表層筋)、かつ身体の幹になる筋肉(体幹筋)で、脚の筋肉と同様、鍛えると筋肉量が増加しやすい大筋群のひとつです。
ですから努力すれば誰でも増やすことが可能といえます。
90歳でも筋力は増加するという研究報告が広く世の中に認知されてきたため、高齢者の健康教室でも筋力運動を含むケースが多くなっています。
 5.家庭でできる簡単な「大胸筋の運動」
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 [実技方法]:四つんばいになり、ひじの曲げ伸ばしを行う

①両ひざをつき、両手を肩の下の位置に着き、四つんばいになります。
②「イチ」で息を吐きながらひじを曲げ、顔を両手の間に近づけます。
③「ニ」で肘を曲げた状態に保ちます。この時軽めの呼吸をしてください。
④「サン」で息を吐きながら、上体をゆっくり元の位置に戻します。
⑤「シ」で上体を休憩させます。
⑥「イチ」「ニ」「サン」「シ」を1回として、繰り返し10回行います。
⑦10回をセットにして、1セットから3セット行ってみましょう。