生き生き健康 No.05 酒は“百薬の長”というが

 

 

 

 

生き生き健康


酒は“百薬の長”というが 
 
「酒は飲め飲め、飲むならば、日の本一のこの槍を……」と謡うのは名曲黒田節の一節です。
酒は人生の友、効用数知れず? 
 酒が入り、次第に酔いが回るにつれて、気持ちは高揚し、歌が出る、時には踊りも出て、気分は最高。酒は人を幸せな気持ちにさせてくれます。古今東西の詩人や有名な作家の中には酒を友とし、酒によって立派な作品を物にした人も多い。例えば、巨匠横山大観などは斗酒をも辞さない大酒家で90歳過ぎて晩年益々筆がさえたと言うのですから、酒の効用これに過ぎる者は無いと言っていいでしょう。

高齢者にとって、酒との付き合いが深い人も多いと思います。タバコは止めても酒は止められんと言う人もいるようです。しかし、家族の身になってみれば、好きなだけ飲んで良いのだろうかと心配するのも当然です。そこで、高齢者にとって『酒』の功罪について述べてみようと思います。

ストレス解消によい飲酒も度が過ぎれば中毒に

 アルコールは医師の処方箋の中に立派な薬として使われてきました。最近はあまり使う事も無いのですが、食欲増進剤として、利尿剤や心臓血管系の薬として、また栄養剤としても使われました。アルコールには様々な薬理作用がありますからこれを利用したと言うわけです。民間でも睡眠薬にしたり、卵酒にして風邪薬として利用されています。

昔から「酒は百薬の長」と言われてきた。それなりの理由があったといっていいでしょう。酒を飲むと血色が良くなります。それは血管が拡張し、血液の循環が良くなる、つまり血の巡りが良くなるのです。その時はかねて血圧が高い人でも下がりますし、動脈硬化があって狭く細くなっている血管も通りが良くなると言うのですから高齢者には都合のいい事となります。動脈硬化を予防するといわれる善玉のコレステロールも適度の酒は増やしてくれると言われています。酒が一日のストレスを取り除いてくれるからでしょう。

ところが、残念ながら酒の悪い面も大いにあるのです。極端な例は酒の魔力に取り付かれついに中毒状態に陥り精神異常をきたす悲惨な例もあります。酒は「きちがい水」ともなるのです。そこまでいかなくても一番皆さんが心配されるのが肝臓病です。確かに肝機能に障害をきたします。ただ、俗に言われる酒で肝硬変や肝臓ガンになったと言うのは間違いです。肝硬変や肝臓ガンの大部分は肝炎ビールスが原因と考えられています。勿論、そのビールスを持っている人が酒を飲むと症状が悪化し病気は進行します。

中性脂肪の増加に気をつけて楽しいお酒を

 近年、様々な病気の原因に肥満が関わっていると言われます。その肥満の原因になっている脂肪は主に中性脂肪という脂肪でアルコールが最大の原因です。それが肝臓につけば脂肪肝、内臓についた脂肪は動脈硬化の原因になります。酒は善玉コレステロールに良いと言っていますが、一方、中性脂肪が増えるので気をつける必要あります。酒はただの水ではありません。カロリーが高いので、肥満の人、糖尿病の人などその点、頭に入れて飲む事も大切です。

そういうわけで酒は飲み方で「百薬の長」にもなれば「万病の素」にもなります。ただ、個人差が大変大きく適量と言うのは一人一人違うと思っていいでしよう。その時の健康状態で違ってきます。また体の中で酒が分解する能力は年齢と共に衰えていきます。自分の歳に相談して飲んでください。

最後に、酒と寿命の話を一つ。よく酒を飲んでいる人が長生きするという人がいますが、酒が直接的に生存率に関係すると言うより、酒を飲む人の中には積極的な生き方をしている人が多いと考えられます。楽しいライフスタイルのひとつとして取り入れてみたらいかがでしょうか。