生き生き健康 No.02 高齢者の生活と健康、今と昔

 

 

生き生き健康


高齢者の生活と健康、今と昔
平均寿命が延びたカラクリ

まず、皮切りに日本人の寿命が延びました、と言う話。「人間50年、下天のうちをくらぶれば、夢幻の如くなり・・・」織田信長が本能寺の変で最期を遂げるとき、彼は寝所に火を放ち、やおら扇をもって能を舞ったという。信長時に49歳、その当時の平均寿命は30歳にも満たなかったのではないでしょうか。平均寿命が50歳を超えたのは、今次大戦のあとの昭和22年のことです。それから60年で平均寿命は30歳も延びました。そして、世界一の長寿国になったのです。

 平均寿命が延びた理由は子どもが少なくて大事に育てられて、乳幼児の死亡が殆どない事です。今、一人の女性が産む子どもの数は平均して1.29人(平成16年)です。これでは高齢者がなんぼ頑張って長生きしても早晩国の人口は減っていきます。シルバーの会員の中には産めよ増やせよの掛け声の中で生まれた人もいるでしょう。隔世の感です。
もともと親は子どもに責任がありますから、面倒を見ます。子どもは成長すると今度は年老いた親を見る。順送りなんだといってきました。これを公的に制度化したのが公的年金制度、子どもが納めて親が使うというわけです。ところが納める人が少なくなって、使う人が多くなっているのですから大変です。年金制度はこのままでは崩壊寸前です。

死亡率は減少されど有病率は上昇

次に、死亡率は下がったが有病率はあがったと言う話。乳幼児が死ななくなったのは寿命の平均値を上げるのに大きいのですが、高齢者も簡単には死ななくなりました。百歳老人は30年程前は全国で150人程度でしたが、今は2万人を悠に超えています。生活環境が良くなった事、特に食生活の改善が大きい原因です。医学の進歩、医療の発達も大いに貢献しています。現代医学の進歩は見事に死亡率を減少することに成功しました。しかし、病気の人が著しく増加したものも事実です。昔なら当然だめだった人も助かり、生き残ります。病人や介護の必要な人が増えていったと言えます。医療が発達すると病人が増えると言うのです。

「がん」より怖い「生活習慣病」

病気の中身も変わりました。戦中戦後にかけて、さしもの猛威を振るった結核も急速に減少し、今最も死亡率の高いのは「がん」です。しかし、「がん」も怖いけどもっと怖いのは寝たきりや認知症(痴呆)ではないでしょうか。折角の人生が悲しい最後になりかねません。この原因は昔、成人病といっていた生活習慣病です。実は誤った生活習慣の積み重ねがその原因なのです。

30年程前に、私は一冊の本に出会いました。それは三千年以上も前の中国の古典「黄帝内経素問」(こうていだいけいそもん)という本です。幻の名君といわれた黄帝がその師、岐伯との問答を綴ったものです。黄帝曰く「昔々は百歳にしてかくしゃくとしていたというが、今は50歳でよぼよぼである。何故か」すると、岐伯が答えて言う「昔の人は天地自然の摂理に従って生きていた。今の者は酒を果実の如くのみ、欲望に走り、好き放題の生活、そのためよぼよぼになっているのです」と正に生活習慣が健康を作ると三千年もの大昔にきちんと述べてあるのです。頭が下がる思いです。

さて、その天地自然の摂理とは何でしょうか。次回よりボツボツお話いたしましょう。