生き生き健康 No.07 1日1汗健康づくり―使わないものは衰える

 

 

 

 

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1日1汗健康づくり―使わないものは衰える
 車がこれほどまでに普及するとは誰が予想したでしょう。そのお蔭で私達の暮らしは便利になりました。しかし、その結果一億総運動不足病になりました。いわば文明病といっていいでしょう。運動不足は様々な病気と深い関係が有ります。
運動とは酸素を細胞へ送り込むこと
 人間は動物ですから何もしないでじっとしていると足腰は弱ってきます。これを廃用症候群といって、使わないものは衰えるという意味です。足腰ばかりではありません。心臓も肺も働きが弱ってきます。私達が呼吸をするのは空気中の酸素を吸うことです。この酸素は全身の細胞に配られる仕組みになっていて、その酸素で各々の細胞は息をついているのです。酸素が不足すると不完全燃焼を起こして老廃物がたまり、それが細胞の老化を促進するのです。そこで、運動は酸素をたくさん送り込む事になります。運動して一汗かいた後のあの爽快感、あれは全身の細胞が喜びの声を出している状態です。その汗自体も大切で、汗に混じって体にたまった有害物質が排泄されるので一日一回汗をかく事を勧めます。

 そのほかにも、運動をすれば血液の中に善玉コレステロールが増加する事がわかっています。これは動脈硬化を予防する役目を持っているのです。従って、血管の弾力性が保たれ血管の老化予防になります。昔から老化は血管からと言われるくらいで運動で老化を予防したいものです。

女性に多い骨粗しょう症は骨の中からカルシウムが抜けだした状態ですが、カルシウムは口から食べるだけでは骨に到達しません。カルシウムを摂取すると同時に運動をして始めて骨を丈夫にするといえます。最近、要介護の人が年々増加する中で高齢者にもっと筋力をつけて骨折を予防しようと介護予防運動がはじまっています。

軽症の高血圧の人も運動はオススメ

わが国の高齢者で最も多い病気は高血圧です。血圧が高くても運動していいのかと質問があります。もちろんイエスです。特に軽症の高血圧の人には運動は必ずいいはずです。運動を始めると血液の流れは速くなり、心臓から排出される血液量は多くなるので血圧は当然上がります。運動を止めると次第に血圧は下がります。そして、その前よりも下がってきます。これを運動直後の急性効果といいます。

 しかし、運動は1~2回では駄目で、2~3ヶ月間続けると運動しない日の普通の血圧も下がってくるのです。これを慢性効果といって薬による効果と変わらない位です。薬と違って2~3ヶ月経たないと効果が出てきませんが軽症ほど良く効きます。その効果のわけを調べてみると、一つは血圧を上げる交感神経にブレーキをかけると言う事、そして、体の中にプロスタグランデインEとかタウリンやドパミンと言った血圧を下げる物質が作られていくと言う事が証明されています。つまり薬と同じ事を運動がしていると言っていいでしょう。

今、国は財政難の中で老人医療費を抑えるために生活習慣病対策として「1に運動、2に食事、しっかり禁煙、最後に薬」といっています。

高齢者によい運動はまず歩くこと

さて,それでは高齢者にとって5つの注意点を述べましょう。

第1はどんな運動がいいかというと,酸素を積極的に取り込むようなものがいい。先ず歩く事からはじめましょう。
第2は時間です。一回に10分以上、一日20分以上から始めてください。
第3は運動の強さです。運動中の1分間の脈拍数を基準に考えるといい。60歳台の人なら110前後がいい。
第4は運動の頻度です。毎日するのがいいのですが、週3回以上、1日おきにやって欲しいものです。
第5は継続する事。1日や2日では効果はあがりません。少し早足で歩き、汗ばむ程度、あまりきつい運動はいけません。冬の寒い日や疲れているとき,風邪気味や二日酔いのときは休みましょう。そして、自分の血圧や心臓の状態,血液の性状等を良く知っておく事も大切です。