生き生き健康 No.44 背筋を正して健康を保つ

生き生き健康


背筋を正して健康を保つ

北原 道宏
財団法人体力つくり指導協会 主任研究員
「あの人はいつみても背筋が伸びて姿勢が良く、いかにも健康そうだ」、と姿勢の良さと健康が同じに扱われることがよくあります。心と身体も表裏の関係にありますから、悲しいときには首がうなだれて背中や腰が丸くなり元気がなくなり、反対に元気がいいときは胸を張って背筋がぴんと伸びてきます。
日ごろから胸を張り、背筋を正して心身の健康を保ちましょう。
1.身体に感謝していますか
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 私たちの身体は自分の意志ですべてコントロールしているように思いがちですが、よく考えてみると自分の意志に関係なく自動的に動作している場合がほとんどです。例えば、体温を思うままに上下できるわけではありませんし、強烈な睡魔を強い意志によって追いやることもできません。身体をコントロールしていると勘違いしていると、体調の優れないときでも自分の身体を粗末に扱い、健康を損なうことにもなりかねません。
身体はいわば天から与えられた借り物ですから、生身の生物である身体にあまり無理難題を振りかけずに、素直に今の体調に耳を傾け、「いつもありがとう」と声をかけて大切に身体を使っていきたいものです。
2.身運動の胸式呼吸と安静の腹式呼吸
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  胸式呼吸は胸や肩や上腕の動作を含む呼吸運動で、腹式呼吸は横隔膜や腹筋を使った呼吸運動です。安静時には腹式呼吸を多く使いますが、日常生活で活発な運動をおこなうときには胸式呼吸の割合が増えてきます。腹式呼吸が良いとばかりに胸式呼吸を極端に嫌うことは、活発な運動をおこなうときに発生する酸素不足を解消できないことになります。
心を落ち着かせたいときなどには腹式呼吸を活用しますが、心肺機能を高め、姿勢強制を期待するときにはむしろ胸式呼吸が好ましいといえます。
胸郭が固くなってくると胸式呼吸ができにくくなり、ちょっとした運動でも直ぐに息があがってしまうことがあります。意識的に胸式呼吸をおこない、軽い運動でも全身を使うような動作を日常生活にも取り入れてみてはいかがでしょう。
3.胸を広げると背筋が伸びる
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 一般的に良い立ち方や歩き方は、背を伸ばし、自然に胸がお腹より前に出ている姿勢がいいといわれます。疲労が重なるとあごが前に出て肩が上がり、背中が丸くなり、それに伴って腹を前に突き出す姿勢になってしまいます。
胸は姿勢を良くするために大きな役割を果たしています。胸を張りやすくするためには肋骨の柔軟性を高める運動をおこなうようにすると効果が高まります。
日ごろから背筋を正し、胸を張るように心がけて、肋骨に柔軟性があり運動性の高い、若々しいしなやかな姿勢作りをおこないましょう。
4.胸を張った全身調整運動
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  胸を張る動作で姿勢を整えましょう。
仰向けでおこないます。頭とひじと尻を支点にして胸を少し持ち上げてから落として脱力し、背中を中心に全身をゆるめます。
姿勢を整えるだけでなく、頭が疲れる人の疲労回復に効果的です。また、就寝前におこなうと全身が弛緩してよく眠ることができます。
[動作解説]
①初期姿勢:仰向けに寝て、両足を腰幅で伸ばし、全身をリラックスさせ、深く息を吐いて気を鎮めます。②動作1 :頭とひじと尻を着けたまま、肩甲骨を内側に寄せ、息を吸いながら胸を少し反らせるようにして持ち上げ、姿勢を保ちます。③動作2 :息を吸い切って4秒~5秒止めてから背中をドサッと落として全身の力を抜き、呼吸が落ちつくまで、しばらくそのままポカンとしています。④頻度  :②と③の動作で1回とし、1回から3回程度おこないます。終わってから呼吸が落ち着くまでの間の身体のゆるみの変化が身体の整う時間になります。
(ワンポイントアドバイス)
*マクラは使いません。
*胸を高く上げ過ぎないようにします。
*頭とひじと尻で息を吐きながら胸を持ち上げるようにし、ギューッと全身に力を入れます。