生き生き健康 No.27 腹を据えて腹筋を考える

生き生き健康


腹を据えて腹筋を考える
北原 道宏
財団法人体力つくり指導協会 主任研究員
1.腹が据わっている
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 よく「あの人は腹が据わって(すわって)いる、胆が据わっている」という言い方をします。度胸(どきょう)があるという意味ですが、腹筋と背筋のバランスが悪くては腰の据わり(姿勢)が様になりません。
下腹で呼吸をすると落ち着いて物事を判断しやすくなり、反対に精神的にあがったりすると胸で呼吸をすることが多くなったりするので、その意味からも腹筋の役割は重要です。
2.腹筋が緩むとお腹が出る
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 腹筋群が弱くなると、お腹が緩み、お腹に脂肪がつきやすくなります。また、背中(脊柱起立 筋)とのバランスが崩れて背中が反りやすくなり、腰痛も出やすくなります。
3.腹筋群の話
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腹筋群は腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋からなります。
腹直筋は、恥骨から肋骨の下部の前面につながる筋肉で、骨盤の傾きをコントロールします。腹直筋によって恥骨が上に引っ張られて骨盤が後傾し腰部がまっすぐになります。この状態になることによって、より効果的に脊中を伸ばしたり、股関節を曲げることができます。
 外腹斜筋は、骨盤の横上の腸骨から肋骨の外側につながる筋肉で、身体の前の左右にあり、腰部を回す時と、腰部を曲げる時に働きます。  内腹斜筋は、骨盤の腸骨近辺から肋骨の下の肋軟骨近辺につながる筋肉で、外腹斜筋の深層にあり、筋線維が外腹斜筋とは反対方向に走っていて、腰部を回す時に働きます。
*体幹をひねって左肘を右膝につけるような腹筋運動のときは、右の内腹斜筋と左の外腹斜筋が働き、これに体幹を屈曲させる腹直筋が合わせて働きます。 腹横筋は、骨盤の恥骨近辺から肋軟骨近辺につながる筋肉で、腹直筋の深層にあり、咳をするときや激しい運動をする時に働きます。
*腹横筋を意識すると下っ腹を鍛えやすくなります。
4.家庭でできる簡単な「腹筋の運動」
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 [実技方法]: 仰向けになり、両膝を立てて上体を起こす
① 仰向けになり両膝を立てて両手をお腹にのせます。
② 下腹に力を軽く入れます。
③「イチ」であごをひき、息を徐々に吐きながら、背中を引き上げます。
④「ニ」で背中を引き上げた状態に保ちます。
⑤「サン」で上体をゆっくり元の位置に戻します。
⑥「シ」で上体を休憩させます。
⑦「イチ」「ニ」「サン」「シ」を1回として、繰り返し10回行います。
⑧10回をセットにして、1セットから3セット行ってみましょう。
(ワンポイントアドバイス)
*ゆっくり動作するほど効果も高まります。
*「イチからシまで」終えた後、大きめの呼吸を2呼吸ほど入れて(身体をリラックスさせて)から次の動作を続けて行うと運動の持続性が高まります。
*片側の肩をやや多めに持ち上げることで腹斜筋を意識しやすくなります。