生き生き健康 No.26 肩が揺れる歩行はお尻のゆるみから

生き生き健康


肩が左右に揺れる歩行はお尻のゆるみから
北原 道宏
財団法人体力つくり指導協会 主任研究員
1.お尻を吊り上げている筋肉の話
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 肩が左右に揺れながら歩いている様子は時々高齢者などに見られるものですが、なぜ起こるのでしょうか。
お尻の後ろのふくらんだ部分はいわゆる大殿筋と呼ばれるものですが、それを吊り上げている筋肉が実は大殿筋の上部にある中殿筋と小殿筋で、この筋肉が衰えることにより起こる症状なのです。 
2.中殿筋・小殿筋の働き
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   中殿筋は骨盤の後ろ上(腸骨陵のすぐ下の腸骨外部)から出て腿の骨の上部(大腿骨大転子の前面)に付着している筋肉で、股関節を外に開いたり、外に開きながら外に回旋したり、股関節を内に回転する働きをします。
また、小殿筋は中殿筋のすぐ下から腿の骨の上部(大腿骨大転子後外側)に付着している筋肉で、中殿筋とほぼ同様の役割を持ちます。 中殿筋と小殿筋は、ランニング中に股関節をきちんと外側に保つために働きます。
したがってランニングやホップ、ステップ運動などで体重が左右に交互に移動することで筋肉が刺激を受けます。お尻の筋肉の発達はこの2つの筋肉の発達が大きく関与しています。
3.トレンデレンブルグ歩行
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中殿筋と小殿筋は歩行中にも重要な働きをします。例えば、歩行の際、片脚に体重をかけたときにバランスをとるように身体を側屈させるという動きを見ることがあります。これは、中殿筋の極端な弱化があるか、股関節に痛みがある時などに見られます。身体を「く」の字に曲げることで股関節への負担を減らし、また中殿筋の弱化をカバーしようと無意識に行われる動作です。
こうした動作をともなう歩き方をトレンデレンブルグ歩行と呼びます。ここまでひどくなくても、中殿筋や小殿筋が弱まると、それをカバーしようと肩が揺れる動きが起こってきます。  
4.家庭でできる簡単な「中殿筋の運動」
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 [実技方法]: 横向きになり、上の脚を上げる
① 横向きになり上半身を半分立てた状態で、両脚を伸ばした状態にします。
② 肘をついて身体を支えます。
③ 「イチ」で息を徐々に吐きながら、片脚を引き上げます。
④ 「ニ」で片脚を上げた状態に保ちます。
⑤ 「サン」で片脚をゆっくり元の位置に戻します。
⑥ 「シ」で脚を休憩させます。
⑦ 「イチ」「ニ」「サン」「シ」を1回として、繰り返し10回行います。
⑧ 10回をセットにして、1セットから3セット行ってみましょう。
(ワンポイントアドバイス)
*ゆっくり動作するほど効果も高まります。
*「イチからシまで」終えた後、大きめの呼吸を2呼吸ほど入れて(身体をリラックスさせて)次の動作を行うと運動の持続性が高まります。