生き生き健康 No.22 立つ歩く跳ぶ 礎のふくらはぎ

生き生き健康


立つ歩く跳ぶ 礎のふくらはぎ
北原 道宏
財団法人体力つくり指導協会 主任研究員
1.ふくらはぎの話
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ふくらはぎは、私たちが日常生活で重力に抵抗して活動するために必要な「抗重力筋」の一つです。ふくらはぎの内側と外側にポコッポコッと付いている2つの筋肉を腓腹(ひふく)筋、その下の層は魚のヒラメのように見えることからヒラメ筋といい、3個の筋肉を総称してふくらはぎ(下腿三頭筋)と呼んでいます。
 腓腹筋は瞬発力に、ヒラメ筋は持久力に優れていて、立ち上がり動作や歩行、ジャンプなどの運動に力を発揮します。ふくらはぎの真ん中あたりから腓腹筋とヒラメ筋が合流してかかとの骨についている腱をアキレス腱といいます。アキレス腱は長さ約15cmほどで、人体で最も強く太い腱で、上部ほど太く、下に行くほど細くなっています。
2.こむら返りはなぜ起きる・起きたらどうする
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  ①こむら返りとは ふくらはぎの異常で困るのが「こむら返り」ですね。こむら返りは加齢と共に発現しやすくなるといわれますが、みなさんはいかがですか。
こむら返りは、ある筋肉だけが異常に収縮した状態をいい、就寝中に足を伸ばしたときや、運動不足の人が十分な準備運動をしないままスポーツをしたとき、冷たいプールで水泳をしたときなどに起こりやすいようです。また、糖尿病や肝疾患のある人、高齢者や妊婦などにも起きやすいことが知られています。 「こむら」はふくらはぎのことを言うので、こむら返りはふくらはぎのけいれんの代名詞で使われますが、太ももや腹部、足の裏の筋肉がけいれんしたときにも同じ呼び名で使われます。
②こむら返りはなぜ起きる
健康な人もこむら返りは突然起こることがあるのですが、なぜ起こるのでしょうか。 原因として、血液中の水分が不足していたり、身体の中の電解質のアンバランスがあったりすると神経や筋肉が興奮しやすくなり、筋肉の収縮が正常にできなくなるということが言われます。スポーツなどで多量の汗をかいたり、カルシウムやマグネシウム不足が続いたりするとき、下痢による脱水が起きているとき、下腿の静脈のうっ血や腓腹筋の過労、糖尿病や腎不全、肝硬変による代謝の異常などが具体例としてあげられます。 特に夏場は、汗と一緒にカリウムなどのミネラル分も失いやすいので、こむら返りが起こりやすくなりますから注意しましょう。
③こむら返りの予防は こむら返りの予防として、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどの電解質をとるために、野菜や果物、海藻類、牛乳、小魚などをバランスよく食べるようにしましょう。また、寝る前に軽いマッサージやストレッチをするとよいでしょう。
 ④こむら返りが起きたら 実際にこむら返りが起きたときには、片手で痛いところを軽くさすり、反対の手で足のつま先を顔の方にゆっくりと曲げ、ふくらはぎの筋肉を伸ばし続けると徐々に痛みが治まってきます。
3.健康に役立つふくらはぎ
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 前述のように、腓腹筋は瞬発力、ヒラメ筋は持久力の役割を果たすのでランニングやジャンプなど身体を前や上に運んだりするのに大切な筋肉です。転倒時のとっさのときの動きは瞬発力を発揮する腓腹筋が活躍しますが、年齢が高くなるにつれて腓腹筋はヒラメ筋よりも早く衰えます。
腓腹筋は、膝の曲げ伸ばしと深く関係があり、膝を曲げている時は足の指を反らす(かかとで立ったときのような状態)ように働き、膝を伸ばしているときは逆に足の指を下げる(つま先立ちのような状態)ように働きます。例えば、車の運転では、座席を調節して膝を伸びやすくすると、ブレーキをかけやすくなります。
 また、ふくらはぎの筋肉が衰えると歩行速度が落ち、階段の昇り降りもきつくなります。このようにふくらはぎは日常生活動作で果たす役割が大きい筋肉なので、運動を通じてしっかりとしたふくらはぎを維持しましょう。
4.家庭でできる簡単な「ふくらはぎの運動」
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[実技方法1]: かかと上げ
① 腰の幅で立ちます。
② 「イチ」で両脚のかかとを上げて、つま先立ちになります。
③ 「ニ」でかかとを上げたまま1秒ほど保ちます。
④ 「サン・シ」で2秒ほどかけてゆっくりとかかとを下ろします。
⑤ 「イチ」「ニ」「サン」「シ」を1回として繰り返し10回行います。
⑥ 10回をセットにして、1セットから3セット行ってみましょう。 ふくらはぎに痛みを感じない程度に、かかとの上げ下げを行います。
<ワンポイントアドバイス> たとえグラグラしてもそれを楽しみながら運動しましょう。 確実な動作で行いたいときは壁や椅子に手を添えて行いましょう。
[実技方法2]:かかと上げ+グーパー体操
肩とふくらはぎの運動です。
① 手を胸の前でグーに握ります。
② 「イチ」で両手をパーに開きながら手の平を前向きに突き出し、同時にかかとを上げたまま1秒ほど保ちます。
③ 「ニ」で両手をグーに握り胸に戻します。同時に1秒ほどかけてかかとを下ろします。
④ 「イチ」「ニ」を1回として繰り返し10回行います。
⑤ 10回をセットにして、1セットから3セット行ってみましょう。
*回数はあくまで目安です。自身の身体の調子に合わせて調整してください。