生き生き健康 No.38 坐骨神経痛に立ち向かう

生き生き健康


坐骨神経痛に立ち向かう

 北原 道宏
 財団法人体力つくり指導協会 主任研究員
腰を反りすぎる、腰を丸めすぎる、身体の片側に体重がかかっているなど、偏りの強いクセは腰部などにゆがみを招き、坐骨神経痛の発症につながりやすくなります。普段から姿勢に気をつけ、坐骨神経痛の予防・改善運動を習慣的に行うことをお勧めいたします。
坐骨神経痛が出ると、足腰に力が入らず立ち上がりにくい、お尻や脚がしびれる。またなかには、片足が熱く感じたり冷たく感じたりするものもあります。これらの症状は運動だけでなく、日常生活にも深刻な影響を与えます。症状が出たら医師に相談することはもちろん大切ですが、普段の何気ない気遣いで予防できることもあります。
1.坐骨神経痛とは
————————————————————————————
坐骨神経痛は臀部から大腿後面にかけて鋭い痛みなどを感じる「症状」であり病名ではありません。坐骨神経は末梢神経のなかで最も太く長い神経で、脊椎から足先にまで達します。この神経が腰椎の隙間から出て骨盤をくぐり抜け、お尻(梨状筋)の筋肉から顔を出すまでの間で圧迫などの障害を受けることで神経痛として発症します。
変形性腰椎症や腰部脊柱管狭窄症などの変形性疾患や、腰椎椎間板ヘルニアなども発症の原因になることがあるようです。
2.坐骨神経痛の予防法
————————————————————————————
・腰に負担がかかる姿勢を長時間とらない
・仕事でどうしても腰に負担がかかる人は、コルセット又は幅の広めのベルトなどで保護する
・重いものを持ち上げるときの姿勢に気をつける
・普段から足腰をバランスよく鍛える
・寝る前やお風呂あがりなどにストレッチをして柔軟性を保つ
・疲労が溜まってきたら調整運動・マッサージ等で取り除く
・体重増加に気をつける
・適切な椅子・机・ベッド(硬めがいいとは限らない)の選択をする。
*すでに症状が進んでいる場合は、医師による定期的な診察を治療と平行しておこなうことが望まれます。
3.簡単な坐骨神経痛の自己調整運動法
————————————————————————————
 
[実技の概略]
膝を立てた仰向けの状態でつま先の上げとかかとあげによる違和感の有無を確認し、問題のない方を優先的に動作させます。
この調整運動では、腰部の姿勢のアンバランスが緩和され、腰の反りすぎ、丸めすぎのない正常な状態に戻しやすくなります。ふたつの動作の違和感はその日によって異なるので、毎日継続してください。繰り返すことによって、身体から発せられる小さなサインを捉えられるようになるでしょう。
[動作解説]
①初期姿勢 :両膝を立てて仰向けに寝る。両手は腹の上に置きます。
②動作1  :息を吐きながら、“つま先”を反らせるように足首を曲げてゆきます。そのままの状態で4~5秒静止させます。このとき、やや腰を丸め、お尻が少し浮くような状態を作ります。もう一度息を吸い、呼気とともに一気に全身を脱力させ初期姿勢に戻します。脱力状態をたっぷりと味わってから次の動作を行います。
③動作2  :次に反対の動作を行います。息を吐きながらゆっくりと“かかと”を上げるように足首を伸ばしてゆきます。そのままの状態で4~5秒静止させます。このとき、背中と床に隙間が出来るように腰を軽く反らせるような状態を作ります。もう一度息を吸い、呼気とともに一気に全身を脱力させ初期姿勢に戻ります。
④動作の選択:“つま先上げ”または“かかと上げ”の動作を比較し、どちらの動作の時に腰や足、あるいは背中や肩などの違和感があるかを探します。違和感ははっきり出る場合もありますが、小さく微妙なサインの時もあります。ゆっくりと動作させて確認してください。選択動作は違和感のない方を選びます。
⑤調整運動 :選択した違和感の少ない方を3回実践してください。その後、違和感のあった他方を1回だけ実践し違和感の解消の度合いを確認します。あまり改善していないときは再び3回実践し、1回確認します。
⑥注意 :解消の度合いが少ないからといって何度も繰り返すことのないようにします。最初のセットで解消されたときはそれで終了です。解消されなくても3セット程度で終了させます。
(ワンポイントアドバイス)
*違和感や気持ちよさが感じ取れるようにできるだけゆっくりと動作をしましょう。
*つま先上げとかかと上げを比較して違和感の差がないときは、腰痛予防運動として交互につま先上げとかかと上げをおこないましょう。