生き生き健康 No.39 骨盤の左右のゆがみを自己調整

生き生き健康


骨盤の左右のゆがみを自己調整

 北原 道宏
 財団法人体力つくり指導協会 主任研究員
 テニスやゴルフ、野球など利き腕側を頻繁に使うスポーツを趣味としている方や、イスに座ったときに脚を組む癖のある方で、運動や姿勢が原因と思われる腰痛を感じた経験はありませんか。これは姿勢や運動に伴い骨盤にねじれが生じて引き起こされるものです。放って置くと肩こりやO脚などにもつながります。症状が慢性的にならないよう、日頃から反対方向への運動も取り入れるなど左右の偏りを解消させるようにバランスよく運動を行うよう心がけましょう。
1.骨盤の構成とゆがみ
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 身体の中心にある骨盤は、腸骨、恥骨、坐骨からなる寛骨と、仙骨と尾骨とで構成されています。そして腸骨と仙骨が接している部分を仙腸関節と呼びます。
仙腸関節は数ミリしか動きませんが、その小さな動きが歩く、走る、しゃがむ、脚をあげるなどの動作に大きく関連しています。この関節がズレた状態で、且つ筋肉の柔軟性が無くなれば自然に修正されることなく「骨盤のゆがみ」と呼ばれる状態が生じることになります。
2.骨盤のゆがみと予防
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2足歩行の人間は、そもそも背骨に圧力がかかりやすく、そのために背骨の土台である骨盤にゆがみが生じやすいといえます。
私たちが経験する肩こりや腰痛、手足のしびれ、頭痛など様々な症状も、「骨盤のゆがみ」という一つの原因だけで起こっている場合があります。
骨盤のゆがみは左右のゆがみと前後のゆがみの2種類ありますが、痛みを感じるのは左右のゆがみが多いようです。
[骨盤の左右のゆがみの特徴]
・O脚X脚である
・いすに座る時に脚を組むくせがある
・立つときに腰が痛く、たたいたりさすったりすることがある
・片方の靴がすりへる
など[骨盤の左右のゆがみの予防法]
・バックを片側の肩ばかりにかけないで交互にかける
・手荷物を両手に分けてバランスよく持つ
・足組みを止める、あるいは、反対にも組みなおす
・ゴルフやテニスなど片側の動作をおこなったときは反対の動作もおこなってバランスを 保つ
・歩いたりしゃがんだりして骨盤を動かすなど
 痛みが継続的で、日常生活に支障をきたすような場合は、必ず一度専門医に相談しましょう。
3.骨盤の左右のねじれの簡単な自己調整運動
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[実技の概略]
膝を立てた仰向けの状態で、両膝を右あるいは左に倒して左右の違和感の差を確認します。そして、痛みや違和感の無い側を優先的に動作させます。このときの動作は出来るか、出来ないかという比較ではなく、ゆっくりと出来るだけそっと動かして、痛みや引っかかりなどが無いかを探します。場合によっては肩や首に変化が現れることもありますので注意深く探ってください。
この調整運動では、骨盤の左右方向のゆがみが緩和され、骨盤が正常な状態に戻りやすくなります。左右の違和感はその日によって異なるので、毎回右倒しと左倒しのどちらが気持ちよく動作できるか確認してください。ゆっくり繰り返すことで、身体から発せられる小さなサインを捉えられるようになるでしょう
[動作解説]
①初期姿勢  :仰向けに寝て両膝を立て、両手を胸の上に置きます。
②違和感の確認:ゆっくりと息を吐きながら、両膝を右側(あるいは左)に倒していきます。途中どの角度で硬さを感じるか、腰に痛みはないか、気持ちよい動作か、いやな動作か、などを確認します。同様に左側の両膝倒し動作も確認します。
③動作の選択 :右左の動作を比較して、どちらが腰や足などに強く違和感があるかを確認します。違和感ははっきり出る場合もありますが、小さく微妙なサインの時もあります。ゆっくりと動作させて確認してください。選択動作は違和感のない方を選びます。
④動作1   :例として左側の両膝倒しが違和感なく楽に動作できる場合、左側に軽く息を吐きながらゆっくりと両膝を倒していき、違和感が出る手前の比較的楽な角度のまま4~5秒静止させます。
⑤動作2   :そのままの状態で、もう一度息を吸い、呼気とともに一気に全身を脱力させ、両膝を下まで倒して脱力状態を保ちます。
⑥動作3   :脱力状態をたっぷりと味わってからゆっくりと息を吐きながら初期姿勢に戻ります。
⑦調整運動  :選択した違和感の少ない方を3回おこなってください。その後、違和感のあった他方を1回だけ実践し違和感の解消の度合いを確認します。あまり改善していないときは再び3回実践し、1回確認します。
⑧注意    :解消の度合いが少ないからといって何度も繰り返すことのないようにします。最初のセットで左右差が解消されたときはそれで終了です。解消されなくても3セット程度で終了させます。①初期動作:準備姿勢    ④動作1:動き始め     ⑤動作2:脱力状態
(ワンポイントアドバイス)
*違和感や気持ちよさが感じ取れるようにできるだけゆっくりと動作をしましょう。
*右と左の両膝倒しを比較して違和感の差がないときは、骨盤のゆがみの予防運動として交互におこないましょう。