生き生き健康 No.40 股関節のゆがみ予防で全身調整

生き生き健康


股関節のゆがみ予防で全身調整

 北原 道宏
 財団法人体力つくり指導協会 主任研究員
 股関節がゆがむと、階段の昇り降りだけでなく、ひどいときは普通に歩いているときにも股関節が痛む場合があります。
もともと股関節は大腿骨が浅く骨盤に組み込まれているためにゆがみが発生しやすいところです。もし股関節がゆがんだ場合、股関節痛以外に背痛・腰痛・膝痛など発症することがあります。
日ごろから股関節痛の予防を行うことをおすすめします。
1.股関節痛
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股関節は骨盤と大腿骨をつなぐ、身体の中で最も大きな関節です。大腿骨の丸い先端が骨盤(寛骨)の両横のくぼみ(寛骨臼)にはめ込まれた形であるため、前後左右、自在に曲がることができます。
股関節痛は、先天性の原因の他に、関節リュウマチや単純性股関節症、大腿骨骨頭壊死、変形性股関節症などによって引き起こされます。
中高年に多くみられる変形性股関節症は、股関節の関節軟骨が磨り減り、骨同士が直接ぶつかり、痛みを起こす障害で、関節の使いすぎや肥満などが原因となることが多いようです。
2.股関節のゆがみの弊害
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 横すわり、足を組むクセ、などを習慣的に行っていると股関節にゆがみを生じ股関節痛が出やすくなります。
股関節のゆがみの影響で姿勢が悪くなると骨を支える筋肉に疲労がたまり、血液やリンパ液の流れが悪くなります。そして筋肉がコリやすくなり、筋肉のバランスが崩れ、骨のゆがみが慢性化しやすくなります。
背骨がゆがめば側彎による内臓の機能の低下、腰椎がゆがめば腰痛、脚の長さの左右差が出れば膝痛など、股関節のゆがみによって様々な症状が発生する可能性が高まります。      
3.日常生活における股関節のゆがみの予防
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・横座りを同じ側ばかりしない
・足組みを同じ側ばかりしない
・バッグなどを同じ側の肩にかけ続けない
・壁に背中をつけて立ち、かかと、お尻、後頭部をつけて形の良い立ち 姿勢を確認する
・内股や外股で歩かず、足の指を左右対称に前に向ける
・肥満に注意する
・股関節周囲の筋肉を強化する(特に太ももの内側の内転筋)
・運動後に筋肉をマッサージしてほぐす
股関節痛が慢性的で、日常生活に支障をきたす場合は、必ず一度専門医に相談しましょう。
4.股関節のゆがみの簡単な自己調整運動
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[実技の概略]
うつ伏せの状態で、片膝を曲げながら腿をわき腹の方向に、床をすりながらゆっくりと引きつけます。
同様に反対の脚を行い、硬さや痛み、違和感などの左右差を確認します。そして、楽な側の引きつけ動作を3回、反対側を1回行います。
この3回、1回を繰り返して行うことで、硬い側の股関節の筋肉がゆるみ、左右の股関節のバランスなどが整いやすくなります。
[動作解説]
①初期姿勢  :仰向けに寝て両脚を伸ばし、両手を顔の下に置きます。
②違和感の確認:ゆっくりと息を吐きながら、片膝を右わき側に引きつけていきます。途中どの辺で窮屈さを感じるか、腰や股関節に痛みはないか、気持ちよい動作か、いやな動作か、などを確認します。同様に左側の膝引き動作も確認します。
③動作の選択 :左右の動作を比較して、どちらが楽に引きつけやすいかを確認します。選択動作は違和感のない楽な方を選びます。
④動作1   :例として右側の片膝引きが楽にできる場合、右側に軽く息を吐きながらゆっくりと膝を引いていき、硬くなる手前の楽な位置で4~5秒静止させます。
⑤動作2   :そのままの状態で息を吸い、呼気とともに片膝を引いたまま一気に全身を脱力させ、脱力状態を保ちます。腰の力を抜くと効果的に脱力ができます。
⑥動作3   :脱力状態をたっぷりと味わってからゆっくりと息を吐きながら初期姿勢に戻ります。
⑦調整運動  :選択した楽な方を3回実践してください。その後、違和感のある反対側を1回行い、違和感の解消の度合いを確認します。あまり改善していないときは再び楽な方3回、違和感のある方を1セット行います。
⑧注意    :解消の度合いが少ないからといって何度も繰り返すことのないようにします。最初のセットで左右差が解消されたときはそれで終了です。解消されなくても3セット程度で終了させます。
①初期姿勢:準備姿勢 ④動作1:片膝引き ⑤動作2:脱力状態

(ワンポイントアドバイス)
*片膝を引いたときに腰を高く持ち上げてしまう代償運動が見られると股関節のゆがみがあるという目安になります。
*最初の確認のときに、右と左の片膝引きに違和感の差がない場合は、股関節のゆがみの予防運動として交互に行いましょう。