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ジジイの世迷言   2020年2   荒川 祥彦 

 

第14話 「身分証明書について」

55年以上前に取得した自動車運転免許証(以下免許証)を返納した。そして運転履歴証明書の交付を申請した。もう少し車を乗り回ましたい気持ちを今も捨てきれないでいるが、己れの運転経歴を誇れる形で終わろうと踏ん切りをつけ、3年前に車を捨てそして今回免許証を返納した。ところが、免許証がなくなって困るだろうと真っ先に考えたのが身分証明書のことである。これまで身分の証明にはほぼ免許証を使用して来た。それに代わるものが必要になるので当然のように運転履歴証明書の交付を申請したのである。よく考えてみればおかしな話である。何も運転履歴証明書に頼らなくても国が発行しているマイナンバーカードが立派な身分証明書として存在する。ところが、そうは行かないので交付申請をするしかなかった。実はマイナンバーカードの手続き案内があってすぐ取得し、ある店で提示したところ、「これはだめです。他の証明書をお願いします。」と言われた。理由を問うと、その店では身分証明書の両面をコピーして書類に添付することになっていて、マイナンバーカードだと個人のナンバーもコピーする(知られる)ことになるからとのこと。他の証明書と言うと免許証かパスポートか健康保険証になるが、本来なら国が発行する身分証明書としてもっとも権威(?)がある筈のパスポートも、場合によっては使えない。健康保険証は写真がないので使いたくないし、結局免許証しかないことになる。と言うよりも身分証明書イコール免許証みたいになってしまっているのである。

理屈っぽくなるが、この免許証は国ではなく都道府県の公安委員会が発行しているものでしかも資格証明書であって、身分証明書としては国(外務省)が発行するパスポートより形式上の権威(?)は下の筈である。その免許証が現実には身分証明書としてもパスポートより格(権威、実用性)が上みたいになっており、返納すると必然的にそれに代わる身分証明書が必要になり運転履歴証明書の交付につながってしまう。一生使えると言うけれど、写真代と交付代(証紙代)で2100円払った。話ついでにパスポートだって取得には相当な費用が掛かる。マイナンバーカードも最初は無料だったけど更新する時は有料になる筈。免許証は県の公安委員会(事務方の総元締めは実は警察庁)、マイナンバーカードは市町村長(実質は総務省管轄)、そしてパスポートは外務省と管轄が違うが同じ国の行政機関である。その同じ国の三つの行政機関が三重の仕組み(すなわち手数料等の三重取り)を知っていながら堂々と施行しているのでないかと勘ぐりたくなる。

更に言うなら、運転履歴証明書の出来た背景として、免許証が身分証明証の代名詞のように多く利用されている実情から返納後もこれに代わるものが必要との判断があったらしい。まさに二重、三重の行政である。本来ならば、マイナンバーカードこそ身分証明書として国民全員が所持するものであり、免許証より前に定着すべきだった筈のものだ。日本は島国でヨーロッパのように他国と陸続きになっていない(国と国との間の人の往来が頻繁でなかった)から、身分証明の考え(制度)が発達しなかったと考える。マイナンバーカードの制度は実施するからにはパスポートとの一本化などを考えるべきだったのでないか。国内でパスポートは使えない(ケースがある)し、外国ではマイナンバーカードは使えない。国内用、海外用の二重の身分証明の仕組みになっている(くどいが国民は二重の費用負担をすることになる)。この現実をどう考えるのか。

マイナンバー制度は普及が遅れていて取得率は1~2割と言われており、総務省は促進を図るため健康保険証との併用も検討していると言うが、真に身分証明書として定着させ、更に、国の都合・思惑だけでなく例えば一寸した追加手続きでパスポートにもなるような、我々が「持つことで便利だ」、「あった方が大変良い」と思えるもの(制度)に育てて欲しいものである。今からでも遅くない。再検討して欲しい。そうすることこそが仕組み(行政)の単純化・一本化であり、グローバル化・国際化に繫がるものだろう。

そして、改善するのは良いが、かっての住民基本台帳&カードのような「廃止」などは二度と繰り返さないで欲しい。                                                (2019.1.14)

〈追記〉最近の報道で、マイナンバーカードをキャッシュレスカード化し、「5,000円」の還元を行うとの政府案が取沙汰されているが、一時的な「馬の鼻面に人参」的な政策でなく、長い将来を見据えた恒久的な施策を打って欲しいと考える。副総理の「あんなものは昔から必要ないと言っている」発言には唖然とするしかない。  (2019.11.21)

〈追記その2〉マイナンバーカードの電子証明書の更新手続きの案内が来て、初めて更新手数料が無料であることを知った。取得した頃の関係資料では手数料の事は、「初回は無料」(平成28年政府広報)としか記載されておらず、その頃のマイナンバーに関する講習会でも更新時は有料との見解が示されていたと記憶している。無料と言っても、マイナンバーカードの更新時は6か月以内撮影の顔写真が必要なのでやはり費用は掛かる。

(2019.12.20)

 

 

 これまでに掲載した「ジジイの世迷言」

《巻頭》

年寄りと呼ばれ、自らもそう思う年まで生きた。先ず無難な生き方をしてきたと思うが、平々凡々であったかと言うとそうでもなかったと思う。成功よりも失敗の方が多い。栄光など知らない。挫折ばかり思い出す。そんな人生経験者が何も残したいと思う事もないが、一言言ってみたい事はそれなりにある。日常接している事、頭の中で自分勝手に考えている事などなど。そして範囲も、世相の事、他人の事、自分の事など様々である。

無知・拙文へのご批判、御不満を顧みず書き連ねてみたい。お気に障られた方にはご容赦戴きたく。

愚生の故郷秋田の民謡「秋田音頭」の出だしでもこう唄っている。

「ハァー 秋田音頭ですゥ。さあてこれよりご免こうむり音頭の無駄を言う。当たり障りはあろうけれどもさっさと出し掛ける。アーキッタカサッサー

ドン アードッコイナァ。」

こんな心境でやってみるべー。

 

第1話 「全国高校野球選手権大会(夏の甲子園大会)」

昨年(2018年)の甲子園大会は特別な思いが残った。秋田県立金足農業高校が準優勝した。秋田県勢としては103年振りの決勝進出である。100回前(正確には99回前)の第1回大会は愚生の出身校である県立秋田高校の前身の旧制秋田中学が決勝に進出した。その時以来の快挙である。全員が金足の地元周辺の中学校出身者で雑草軍団と呼ばれる所以の地域色豊かな子供達が、公立高校・農業高校の代表としての期待を背負う形になって、全国の優秀な子供達を集めた強豪校が多い中で決勝に進んだと言う奇跡にも近い結果を残したことは、将に100年に一度の偉業と言うに相応しい。

折しも人口減少が深刻な問題になっている秋田県にとって、大いに盛り上がって欲しいし、何かの飛躍のきっかけにして欲しい。第1回と第100回の区切りの大会での同県勢の準優勝と言う因縁と大きな感動を感じた夏だった。

 

第 2 話 「聞き慣れない言葉」

今まで余り聞いたことのない言葉、初めて聞く言葉を最近耳にする。

曰く、「線状降雨帯」、「ブラックアウト」、「雨と地震の複合化現象」、「新しいタイプの気象」などなどなど・・・。

「線状降雨帯」。この言葉はつい2~3年前頃から聞き始めた記憶がある。雨雲がある方向に一直線に伸びていて、その下の特定場所で雨が長時間降る現象である。雨雲が発達していればいるほど雨量が多くなり、長時間の集中豪雨になる。これが最近各所で多く発生し、河川の氾濫、土砂崩れを招き、大きな災害をもたらしている。2~3年前と言ったが、確かにその前は聞いたことがなかったと思う。それだけ新しい気象現象であり、気象が変わって来ていることの表れでないだろうか。

「ブラックアウト」。2018年9月6日の「北海道胆振東部地震」で北海道全域が停電になった際に言われた。これは3・11のあの東北大地震の時も起こりそうになったが、辛うじて防げたためにこの言葉は話題にならなかったと言う。今回は一ヶ所の大きな発電所が故障した結果電力の需給のバランスが崩れ、それが周波数の低下を招き、未だ稼働していた他の発電所も故障を防ぐために一斉に停止したと言う。更にバックアップとして本州からの送電も行ったが途中で出来なくなったらしい。我々が日常何の気なしに使っている電力の供給にも複雑な仕組みがあるらしい。専門家がやっている事なのだが我々の周辺でも起こる時は簡単に起こってしまいそうで何か不安になる。

そして「複合化現象」。今回の北海道の地震は台風21号で大雨が降った後に大きな地震が発生しその為の土砂崩れだったと言う。別々には事例は沢山ある。日本全国で豪雨、地震が多くそして日本の国土の至る所は火山灰地質である。こんな中で大雨、地震が連続的に起こるのは例がなかったと言うが、「一緒に起こること」即ち「複合化」はこんなに解析技術が発達している現在でも予測もシミュレーションも出来ないのだろうか。

そして、今回の台風による大雨とその後の地震を「新しいタイプの気象」と言う報道がなされたが、確かにこれまで梅雨や台風のなかった北海道に、梅雨が、台風が来るようになった。だから大きな被害がもたらされた。しかし、これらの気象変動は何年か前から既に判っているし、この原因は地球温暖化にあることもほぼ間違いないとも言われている。「新しいタイプ」などと言っている場合でない。地球規模での早急な対応が必要でないかと考える。

 

第3話 「韓国ドラマの不思議」

妻の影響で韓国ドラマを案外と見るが、日本と違う風習とか、一寸理解できないことが出てくる。

・(個人の)家の中とか玄関・門などのシーンがあるが、駐車場が出て来ない。セレブらしい家の立派な門の前に車を停めて乗り     降りするシーンが良くあるが、駐車場らしき所は出てこない。個人宅にはないのだろうか。

路上駐車OKの国と聞いたことがあるが全てそうなのだろうか。(まさか~)。

会社(ビル)の駐車場らしきシーンは良くあるがその対比が極端だ。

・着飾った男女が、コート・オーバーを着たままで高級レストランの席に座っているシーン或はコート・オーバー姿で会議室に         座っているシーンが良くある。日本ならクロークでコート類は預けて席に着くのが普通だが。

・外出から帰った服装のままでベッドに座る、潜り込むシーンが良くある。

ベッドがソファー代わりのような使われ方をしているのだろうか。

ベッドに入る時、布団に入る時は外で着ていた服は脱いで寝間着・パジャマなどに着替えるのが日本では常識だが…。

日常の生活様式の違いと言ってしまえばそれまでだが、ひょっとするとこれはドラマだけの世界の事かと思ってしまう。

あくまでも「ドラマの話し」であるが、ドラマが全て架空の世界と言うわけでもないと思う。

 

第4話    ―花粉症―

この10年位、即ち70歳を過ぎた頃から花粉症に悩まされている。しかも年々ひどくなっている感じがする。この2~3年は花粉の発生状況が昨年より多いとか一昨年より少ないが例年より多いとか色々言われているが、症状で言うと一昨年より昨年、昨年より今年と症状がひどくなっているようである。花粉症は年を取ると共に罹りにくくなるとか、年々軽くなるとか言われるがトンでもない。重くなる一方である。今年は鼻詰まりがいつもより少しはましだが目の痒みはひどい。過去の検査結果では杉とヒノキに顕著に反応しており半年近く症状が続くのである。医者から貰う飲み薬と目薬の他に、甜茶(てんちゃ)が良いと言うので飲み出した。最初のうちは効いている感じで、「これは良い」と思っていたが、3月になってからは家の中に居ても鼻は詰まるし目は痒いし効き目があるのか分からなくなって来た。梅干しもアレルギーに良いと言うのでこれ迄もよく食べていたが毎日一粒多めに食べている。だが効いているかどうかわからない。朝起きると鼻は詰まり、喉はカラカラ、目はショボショボ。嗽(うがい)をして目を洗って目薬をさすと少し落ち着くが、程なくまた痒くなる。外に出ると当然のことだが目の痒みは強くなるので、半信半疑ながら花粉除け眼鏡を買った。正直殆ど期待してなかったが、思ったより効果がありそう。こんな調子で毎日花粉症と闘っている。

現役の頃、会社の同僚がティッシュの箱を片手に会議室に現れ、会議の間中鼻をかみかみ目を真っ赤にしていたのを横目に見て、「これが花粉症なんだ」と合点したことを想い出す。その頃の愚生はと言うと、元来鼻がいつも詰まり気味で毎年春になると鼻詰まりが少しひどくなり「また鼻風邪を引いた」程度には思っていたが、同僚のような花粉症とは全く縁がないと思っていた。しかしその頃から実は軽めの花粉症を患っていたのだと今になって改めて思わされた。それでも70才過ぎまで、いつもの鼻詰まりはあったが顕著な花粉症らしきものは知らずに過ごして来た。それが70歳を過ぎてから・・・一体何なんだろう。

住む場所が変わったわけでもなく、生活習慣が大きく変わったわけでもない。

強いて言えば今勤務している教養センターの周囲は我が家周辺よりは樹木が多く花粉が多いかも知れない。しかし我が家の隣にはフラワーセンターがあり樹木もそれなりにあるので余り差はないと思う。

花粉症の発症はよく抗体と言うコップに例えられる。コップの大きさ以上に水を注ぐと溢れる即ち抗体の限界以上に花粉に見舞われると症状が現れるのだと言う。愚生も今までギリギリのところで症状が出ないでいたのが、何かによってコップの水が溢れてしまったと言うことか。それとも抗体と言うコップが小さくなったとでも言うのか。何だか知らないが、鼻詰まりは苦しいし目は痒い。

早くこの憂鬱さから解放されたい。早く来い来い、夏よ来い。

(2019.3.15)

 

第5話 「世相」

昔‥「悪い奴ほどよく眠る」

今・・「悪い奴ほどすぐ寝込む」

今後(期待)・・「実るほど頭(こうべ)を垂れる稲穂かな」

最近のスポーツ界の各組織の頂点に位置する「〇△協会」の醜態ぶりは目に余る。

人生経験豊富で栄光も挫折も十分に経験して来た謂わば人生の大先輩と呼ばれて良い筈の大人(幹部)がパワハラ、採点のごまかし、その他色々な種類の疑惑で、みっともないことに未だ若い人生経験も少ない選手たちに訴えられている。

折しも北海道胆振東部地震で停電したスーパー・コンビニで列を作って買い物をしようとしている人たちのキチンとルールやマナーを守っている姿が報道された。これが世界中から評価を受けている日本人の姿である。この情景に対して、日本の先達と言うべき前述のスポーツ界のリーダー達(ほんの一部であって欲しいと切に願う)は何を感じているのだろう。(見てもいないかな。)

これら幹部の人達は一時(いっとき)強気の発言をしていると思う間もなく、入院だの自宅引きこもりだのと逃げ回ってしまう。自覚も節操も潔さも無いように思われる。人間として最も醜い姿を曝け出している。そんな思いすら持ち合わせていないだろう。このようなリーダー達にこのまま日本のスポーツ界を任せておくのは良くないと思う。

以上のことは、あくまでマスコミで報道されている事柄を前提にした思いであるが、事の良し悪しをキチンと整理して健全な方向に改善して行かなければならないと思うが、それを行うのは何処なのだろう。スポーツ庁と言うお役所があるが、あそこは何をやる所なのだろう。統制と言う言葉は好きでないが、管理・指導だけでは収まらない何かが必要な気がする。日常のチェック体制も含めて、然るべき所が強い且つ公正な権限を行使して是正して行かなければこの後も同じようなことが続出するような気がする。

口を開けば「ガバナンス」と言うが、ガバガバとボロを出している。

(2018.10)

 

第6話 「書き留めておきたくて」

・重土(おもつち)を  背に負いながら 世の中を  からくもわたる人ぞ多かる

・この秋は 雨か嵐か 知らねども  今日の務めの草をとるかな

・今日ほめて 明日悪く言う 人の口 なくも笑うも うその世の中

・わらしこ(子供) ごしゃぐな(叱るな) 来た道だもの   年寄り 笑うな

いぐ(行く)道だもの

上の3句は郷里の実家で父親が額に入れて飾っていたものだが、上の2句は

祖父の作句と聞いた記憶がある(?)。   3番目は一休禅師の歌である。

一休禅師の歌には他にも味のある歌がある。いずれ書いてみたい。

4番目の句は子供のころ覚えた記憶があるが、詳細不明。

何となく心に残っている句で忘れられない。

(2018.10)

 

第7話 「コーラス、改めて歌詞の意味を知る」

音が取れない、今歌った音をすぐ忘れる、音符が読めない、だけど歌うことが好きでコーラスを続けている。そんな中で、昔歌った唱歌の歌詞の意味を今になって初めて知ったり、間違って理解していたことに気付くことがある。中には未だに理解できない歌詞(言葉)もあり、理解もせずに丸暗記で唄っていたんだなぁーと苦笑交じりに懐かしくも思う。

 「埴生の宿」

「埴生の宿も 我が宿 玉の装い 羨(うらや)まじ… (以下略)」

「埴生の宿」とは土を塗って作った小屋、即ち貧しい小屋の意味だが、大人になってから辞書を引いて理解した。「玉の装い」とか2番の歌詞に出てくる「瑠璃の床」についても長ずるに及んで理解できた言葉だ。子供の頃は棒暗記で唄っていたと言うことだが、どんな気持ちで歌ってたのかは今想い出せない。

「早春賦」(2番)

「氷解け去り 葦は角ぐむ さては時ぞと 思うあやにく

今日もきのうも 雪の空  今日もきのうも 雪の空」

「角ぐむ」とは「草木の芽が角のように出てくる」意味だが、歌詞全体から何となく理解出来ていても、辞書を紐解くまで正確な意味など知らなかった。

「あやにく」とは「あいにく」(生憎。思ったのに意に反して)の意。これも調べて「あっ、そうか」と理解した。

「夏は来ぬ」

「卯の花の匂う垣根に…(以下略)」

「卯の花」とは垣根などに使われる空木(うつぎ)のことを言うらしいが、どんな木かいまだに知らない。多くの人は知っていると思うが。

豆腐のおからの意味もあることは大分前から知っていたが…。

他にも、今歌い直して或は歌詞を読み直して、改めて意味を知ることが多い。

そう言えば、「赤い靴」の「異人さんに連れられて行っちゃった」を「ひい爺さんに連れられて…」と覚えていたこともあったけ。       (2018.11)

 

第8話 「夏の風呂上り」

タオル1枚を下半身に巻いて、暫くエアコンの風で火照った体を冷やしている瞬間が至福の時。

ところが テレビを見ながらと思い椅子に座っていると、お尻に汗をかいてむず痒くなって来る。折角の至福の時に極めて不快になる。

そこで立ったままお尻を扇風機に当てて乾かしてから座ろうとするのだが、タイミングが難しい。早いと未だ汗をかくし、遅いと体が冷えてしまう。

頃合いを見てパンツを着けパジャマに着換えるのだが、これも冷え過ぎないようにするタイミングが難しい。汗も引けて且つ体の冷え切らない時を見計らって着替えると言う微妙なタイミングに賭ける。

なんとも馬鹿々々しいことをやっているのだが、現役時代の、帰宅したら「飯、風呂、寝る」だけの頃には考えられなかったジジィの暇つぶしである。

喜寿の夏 刻(とき)は ゆるりと過ぎて行く      (2018.7)

 

第9話 「台風と鎌倉」

島を縦断するなどで、各地に大きな被害をもたらした。

昨年(2018年)も台風が列この台風が上陸する度に思うことだが、日本各地にあるいは神奈川県のどこそこに大きな被害を残していったのに鎌倉だけは被害がなかったと言う経験をこの地に40年以上住んでいて何度もしている。勿論、被害にあった例も相当あるし、鎌倉市単独の大雨、土砂崩れもあったが、「鎌倉だけは通り過ぎてくれた」例が多かったように記憶している。

源頼朝が鎌倉幕府を開く時、当時周辺を支配していて頼朝に従った豪族達(三浦氏、千葉氏、その他)は長年の経験から鎌倉は風水害の影響が少ないと進言してこの地に幕府を開くことになったのだろうかと勝手に想像している。

鎌倉は気候的にも恵まれている。夏は海風が気持ち良く、しかも我が家の前は柏尾川と東海道線と道路が並行していて広い風の通り道を作ってくれているので、以前は夜エアコン無しで眠れた。最近は温暖化の影響で気温が上昇したせいか、周囲に建物が増えたせいかエアコン無しでは過ごせなくなったが...。

冬は東京・新橋駅のホームと大船駅のホームで確実に1℃以上の温度差がある。大船の方が暖かいのである。しかも新橋から45分後の大船の気温である。住みよい街である。バス代が横浜市のように「70歳以上は無料」になるともっと良いのだが。(2019.1.)

 

第10話 「キノコの話」

スーパーでキノコは単独の品種毎に売られている。シイタケ、シメジ、エノキ、マツタケなどなど。食べる時は何種類かを一緒にすることもあるが、名前の知れているものだけである

子供の頃、母の手伝い(荷物持ち)で朝市でよく雑キノコを買った。農家の人が山に入って採って来た天然のキノコで、種類は数知れない。前述のキノコを含めて(マツタケは昔も高級品だったので入ってないが)アミコ、ハツタケ、何々、何々、なんだか名前も知らないものもごちゃ混ぜ…。採ったまま種類の選別もせず桶に一緒くたになって入っていて、それを「何杯ちょうだい」と言ってしゃもじですくって貰う。表面がぬるぬるのキノコも多かった。当時はビニール袋などなく新聞紙にくるんで貰うのだが、家に帰りつく頃には新聞紙はびしょびしょに濡れてしまっていたとの記憶がある。味噌汁に入れたり、煮物にしたりで色々なキノコの美味しい味がした。すっかり忘れてしまっていたが、それが「キノコ」に対するイメージの一つであった。

そんな中で、「雑キノコ」にはせず別売りのものもあった。

一つは「きりたんぽ」に欠かせない「マイタケ」。今スーパーなどで売っている「マイタケ」は人工栽培ものであるが、漢字で「舞茸」と書き、天然物は昔の秋田でも貴重品だった。当然高価だった。このキノコは人工栽培の成功まで困難があったようだが、昭和40年代の中頃だったろうか、倉庫会社の倉庫を利用して栽培に成功し販売されたとの記憶がある。勤務していた会社の運動会で宣伝のために実演試食会を催したことがあった。横浜市鶴見区の大黒埠頭の近くの倉庫会社だったと思う。その「舞茸」、昔朝市で見た形は大きかった。両手で抱えるくらいの大きさだった。その貴重品がスーパーで手ごろな大きさと手ごろな値段で買えるようになって久しい。「マイタケ」を見る度に昔見たあの大きな「舞茸」そしてあの頃の朝市の風景を想い出す。隔世の感あり。マツタケの人工栽培は未だに成功していない。

もう一つは「スギヒラタケ」と言うキノコの事である。これも子供の頃朝市で「スギキノコ」の名前で「雑キノコ」とは別にして売っていた。杉の倒木に生える真っ白で丸い薄い形(直径3㎝位の丸い真っ白な煎餅と思えば良い)をしていて、みそ汁やお吸い物に入れて食べていた。色や形のせいもあって、淡白で繊細な味だったと記憶している。その「スギヒラタケ」が、今では毒キノコに指定されている。「食べるな」と厚生労働省が指導(推奨)している。急性の脳症を発症するのだと言う。それも最近(平成16年頃)になっての指定である。未だ分からない所もあるらしい。いやはや…。(よく今まで生きていたな!!)

※朝市;秋田県五城目町の「五城目朝市」。500年以上古い昔から続いていると言う街頭朝市。子供の頃は二と七のつく日が下町、五と十のつく日が上町で開かれた(今は下町のみとか)。ツアーも組まれる有名な朝市。(2018.11.28)

 

第11話 「風疹流行の兆し。30代~50代の男性は加害者か?」

2018年10月15日の8チャンネルテレビで今年は風疹が流行していて、妊婦が罹った場合お腹の子が大きな病気になる可能性を報じていた。そして関連して、30代~50代の男性が風疹に罹っていると空気感染で近くにいる妊婦に感染する可能性について言及していた。「該当世代の男性が加害者」との報道である。該当する男性は、男性だからという理由でワクチンの予防接種をしていない(免除)のだと言う。

愚性は医学の知識もないし、予防接種の規程も(昔子供の小さかった頃は多少知っていたと思うが)覚えていないので、「妊婦は以前に予防接種をしていても、お腹の子供は風疹に感染する」と単純に理解した。

ところがそうではなく、「妊婦が以前に予防接種をしていれば、お腹の子供にも感染しない」即ち「妊婦が以前予防接種をしていない場合にお腹の子供に感染する」のだそうだ。この場合「何らかの理由で予防接種をしなかった女性に原因はないのか」という疑問が生ずる。「予防接種をしなくて良いとされた、30代~50代の男性が加害者である」と説く前に「女性の風疹ワクチンの予防接種のあり方(現在は任意)」を先ず取り上げるべきでないのか。

子供の将来に係わる重大なことだけに妙に引っかかった。

愚生の理解が間違っていれば是非お教え戴きたい。    (2018.10.15)

 

第12話 「辰年元旦の朝 上り龍を見た」

古い話で、多少妄想がかった話でもあるが、今から7年前(2012年)の辰年の元旦の朝、我が家のベランダから登り龍を見た。晴れた空に浮んだ雲なのだが、その形が天に向かって登って行く龍そのものであった。見とれてしまい写真を撮るのも忘れてしまい、証拠らしきものも残っていないが、当時の雑記帳に以下の文章が残っている。

「辰年の元旦の朝、南西の空に昇龍を見た。勢い良く天空に上って行く龍である。表現がオーバーになったがまさしく龍を思わせる一条の雲を見たのである。

午前9時頃だったと思うが、ベランダに出ていた妻が≪龍だ!≫と大きな声を出して私を呼んだ、ベランダから仰いだ空に、飛行機雲の幅広くなったような形で、なのに飛行機雲のように長くは続いてなくて、しかも状に将に上空に上って行くような雲があった。他に雲は少なく、青い空を背景にして、辰年を誇示するように勇壮な形を見せていた。その後間もなく(写真を撮る間もなく)霧散してしまった。元旦の朝の一幕のドラマだった。」

辰年の龍の形の雲、それも元旦の朝。偶然の出来事だが、妙に記憶に残っている。                 (2019.1)

 

第13話 「ホワイトアウト・吹雪の怖さ」

北海道胆振東部地震で言われたブラックアウトは人工の設備(インフラ)の故障によるものであるが、ホワイトアウトは台風と同じ自然現象である。

そのホワイトアウト現象についてテレビなどの報道は単に「視界」の事だけを取り上げているが、それだけでなく、吹雪の音で他の音は何も聞こえないと言う怖さも伴っている。秋田に住んでいた子供時代のことだが、吹雪の中、警報器も遮断機もない踏切を渡っていて列車が近づいていることに気付かずに轢かれてしまったと言う事故を何度か聞いた記憶もある。当時は蒸気機関車であったが、相当大きい音を出す機関車の音も聞えず、吹雪で視界が遮られて普段なら遠くから見える照明もわからなかったのだと思う。

秋田はコメどころである。広大な秋田平野を南北に奥羽本線の線路が走っていて、そこを走る列車から見えるのは果てしなく続く田んぼばかりと言うのが代表的な風景の一つであった。そんな中で吹雪に遭ったら、真昼でも周囲が何も見えず音も聞こえず、自分が今どこにいるか分からなくなるのだと思う。

登山中霧や吹雪などで遭難した人は、方向感覚を失って、結果的に山小屋の直ぐ近くをぐるぐる歩き回っていたと言う話を聞いたことがあるが、それに似ているのだと思う。

愚生は街中(まちなか)に住んでいたので日常は前述のような経験は殆どなかったが、それでも街中の吹雪でも目を開けていられないので下を向いて歩いていて道を間違えたりした。家に帰って来た時オーバーの生地の中に食い込んだ雪は手で掃う(はらう)程度では取れないので箒(ほうき)を使って叩いて払い落として貰った。手袋をしていても手はかじかんで硬直し、ストーブの近くかお湯で暫く温めていたし、戦後間もなくの小学校低学年の頃は長靴などの履物もなく、足袋に下駄履きで通学していて「しもやけ」になった記憶もある。

吹雪は横殴りか下から吹き上げて来る。見えない、聞こえない、露出している肌は痛い、寒い。そんな経験から、広大な田野でひどい吹雪に会えば、方向感覚まで麻痺させてしまうことは想像に難くない。

「しんしんと雪降り積もる」の表現のように音もなく雪が降る夜もあった。そんな時は外に出てみると暖かい感じがした。雪で作った「かまくら」の中のような・・・。

どちらも雪と言う気象現象であるが、余りに違う自然界の姿である。(2018.12.1.)

 

 

 

 

 

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